水田除草機の開発において幾つかの留意点
有機稲作のみにおいて生計を立てるには、10ha以上であり、慣行においては20haが一つに目安と考えられる。
その圃場面積においての除草機の役割と除草に掛かる時間を考慮せねばならない。
1. 価格
稲作においての機械代は高価であり、その中で除草のみに特化した機械の適正価格は、除草部本体とそれを動かす機械を含め 200万円以内が妥当と思われる。
2. 機能と能力
除草は、稲の生育中に最低2度行わればならす、理想は3回以上。従って、そこに掛かる時間を短縮する。或いは自動化する事は大事。
1haにおいて1時間以内程度を一つの目安とした場合、10haにおいては10時間であり、それを自動化する事が一つのチャレンジ。
3. 圃場の条件と機械の能力のバランス
水田において、田植え直後の圃場の土は柔らかく、徐々に粘度が増します。深い部分のある圃場においては、機械が埋まる、或いは土の抵抗によって前進できない。
したがって軽く、また土の抵抗にあっても前進出来るパワーがあり、圃場で沈んで埋まらないクローラー型機械が理想である。
4. 多目的機械について
GPSの自立走行型の機械において、直播、除草、肥料散布、液剤散布等が出来る機械は、費用対効果が高く、GPS情報を共有するという意味において、実用的。
5. 陸稲について
菌根菌を利用する水を余り必要としない陸稲についての除草については、既存の草払い機の用な電動モーターを使う方式が考えられる。
現行の除草機には、自立運転ロボット型の物とオペレータを要する物の二種類に大別され、どちらも利点と欠点があり、利点が欠点を上回れるのかが使えるのか使えないのかの判断基準となる。
ほとんどの除草機は、初期除草しか対応しておらず、それらは雑草がある程度、土中に活着・成長した時点では使えない。
従って、中耕除草機と言われる、稲の生長に対応出来る除草機がが必要となる。
ロボット 自立自走型除草機の問題点
ほぼ全ての自走型ロボット除草機は、泥を攪拌して、雑草が求める日光を遮り、或いは雑草の活着を防ぐという二つの役割しか持たない。従って、雑草がしっかり土中に活着した時点で使えない。
機械式除草機の問題点
機械式は、通常重く、ある程度の大きさのエンジンを要し、また泥の抵抗、草の絡まりによるギア、駆動部への抵抗により、破損する可能性がある。
これらの問題を避ける為に、駆動部がシンプルでギア等を使わない除草部を作る必要がある。
GPS自立型運転、ラジコン操作の出来る除草機
ドローン、或いは 自立型運転の出来る直播の出来る機械のGPS除法を除草機械と共有する事は可能で、それによって3cm程度の精度・誤差のある機械は出来るが、圃場の状態によって必ずしも真っ直ぐに走行しない。
従って、GPSを使いながら、オペレータが苗や稲の列をカメラの映像を目視しながら、手元のラジコン送信機でその修正が出来る仕組みが必要となる。
LiDAR で稲の列を探知し自動修正をする事は可能であるが、その画像情報処理速度と機械本体の速度と方向訂正のバランスを取る事は難しいと思われ、掛かるコストが高く、除草機械が高くなる事は実用性に欠ける。